【離婚】~離婚原因5(別居について)

離婚について~離婚原因5(別居について)
今回も、前回に引き続き、「別居」に関する問題です。
 
「別居にあたって、家財道具等を勝手に持ち出してもいいですか?」
という質問もよく受けます。
全く個人の所有物であれば、もちろん持ち出すことは自由です。

問題となるのは、結婚時もしくは結婚後、
2人で使うものとして購入した家電製品や家具類です。
これらは、一応夫婦の共有財産ということになるので、勝手に持ち出すと、
後々問題になり得るので、できれば避けた方がいいと思います。

 
預金の引き出しも問題になります。
ただ、裁判所は、例えば妻が家を出る際、夫の預金を持ち出したとしても、
それが常識的な範囲で、生活費に費消されたのであれば、
その返還や損害賠償までは命じていないようです。
とはいっても、あくまで“常識的な範囲”で“生活費に費消”された場合に
許容されるに過ぎないという点に注意が必要ですね。
将来の子供の進学費用のために1,000万円も引き出すというのは、
後々トラブルになり得るでしょう。

 
未成年のお子さんがいる場合、別居の際一緒に出るか出ないかは、とても大きな問題です。
特に女性が家を出る場合、経済的な不安が大きいかと思います。

ただ、そのお子さんの親権者になりたいのであれば、
やはりお子さんも一緒に家を出るのが望ましいですし、
またそれが自然だと思われます(DVなど、特殊な事情がある場合は別ですが。)。

実務の現状としては、子供が現在暮らしている状況で特に不都合がなければ、
なるべく環境の変化を避けるのが望ましいということで
“現状のままで=現在一緒に暮らしている方の親を親権者に”
という判断がなされる傾向があるように思います。
これに対しては、
「現状を重視し過ぎて、子供の福祉(何が子供にとって、本当の幸せなのか?ということ)を
個別具体的に検討していないのではないか?」
「子供の意思が尊重されていないのではないか?」
「結局“連れ出した者勝ち”なのではないか?」という批判もあるところです。

ただ、やはりアドバイスする立場としては、
実務(裁判所の判断の傾向)を無視するわけにはいきませんので、
「親権者になりたいのであれば、一緒に家を出た方が望ましいでしょう。」と
アドバイスさせて頂いています。

 

猫
 

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