スモーキングガンーその証拠力
香取慎吾さん主演のドラマ『スモーキングガン』が始まっています
スモーキングガンとは、銃から立ちのぼる硝煙が発射の証拠となることから、「動かぬ証拠」や「確証」といった意味で使われる言葉ですね。
ドラマのサブタイトルも「決定的証拠」です。
確かに銃殺現場で、硝煙の立ちのぼる銃を所持していれば、殺害の重大な「証拠」となります。
「スモーキングガン」は、実際の裁判では、どのように位置づけられ、どんなことが問題となるのでしょうか。
裁判上の証拠には、「直接証拠」と「間接証拠(状況証拠)」があります。
「直接証拠」とは、証拠によって証明しようとする事実(要証事実)を直接的に立証しようとする証拠です。
「拳銃を被害者に向けて撃ったのを見た!」というような犯罪現場の目撃証言などがこれにあたります。
間接証拠とは、要証事実を推認させる間接事実の証拠です。
「硝煙の立ちのぼる拳銃を持っていた」という事実は間接事実にあたり、それを見たという証言が「間接証拠」となります。
スモーキングガンは、間接証拠すなわち状況証拠にあたるわけです。
間接証拠の場合、要証事実をどの程度立証するものであるかを、よく吟味しなければなりません。
これを証拠の証拠力とか証拠価値といいます。
スモーキングガンの場合、硝煙が立ち上る時間は短時間かと思いますので、まさに犯罪現場でそれを持っていれば、かなり証拠力は高くなるわけですが、その立ち位置や立っていた時の様子なども合わせて吟味されます。
そして、証言が本当にそのとおりかどうかは、「証拠の信用性」の問題です。
スモーキングガンを持っていたのが本当にその人だったのか、目撃者との距離、暗さ、何かの理由で嘘の証言をしている可能性がないか、などなど
この「証拠力」と「証拠の信用性」が裁判の焦点になることが多いです。
実際の裁判を検討するにあたっては、今手にしている証拠が、何を証明しようとするものであって、どの程度の証拠力があるのかをよく見極める必要があります。
ただ、これらを自己診断してしまう前に、弁護士にご相談頂ければ!と思います。