【離婚】~離婚手続き1(離婚の形式)~
離婚について~離婚手続き1(離婚の形式)~
離婚の形には、以下の4つがあります。
1 協議離婚
夫婦間の合意によって離婚する場合です。
離婚の届出をし、その届出が受理された時点で離婚が成立します。
離婚の全体の90%がこの協議離婚によって成立しています。
2 調停離婚
離婚について夫婦間で話し合ってもなかなか合意が整わない
という場合はどうしたらいいのでしょうか?
また、離婚することについては合意があっても、親権や養育費、財産分与や慰謝料について、
なかなか話し合いがうまく進まない、という場合はどうしたらいいのでしょう?
このような場合には、家庭裁判所に「調停」という手続きを申立てることができます。
調停では、調停委員2人(男女1人ずつであることがほとんどです)を介して、
夫婦間で離婚について話し合っていくことになります。
あくまで“話し合い”の手続きなので、夫婦間に合意が整わない限り
離婚は成立しません。
調停離婚の場合、調停が成立した時点で、離婚が成立することになります。
離婚の届出は、この離婚成立後10日以内にしなくてはなりません。
(離婚成立後にする届出なので、報告的届出と言います)
離婚の全体の8~9%くらいが調停離婚で成立しています。
3 審判離婚
調停が成立しない場合、裁判所は事件の解決のため必要な
「審判」と呼ばれるものをすることができるのですが(家事事件手続法284条)、
これは実務ではほとんど行われていないのが現状です。
4 裁判離婚
調停で話し合っても合意が整わない場合、どうしたらいいのでしょう?
その場合は、離婚裁判を起こすことになります。
裁判は、話し合いの手続きである調停と異なり、
最終的には裁判官が白黒をつけて、判断していくことになります。
そして、裁判で離婚が認められるためには、法律で定められた
離婚原因が存在することが必要になります。
その離婚原因とは、以下の5つです(民法770条)。
①配偶者に不貞行為な行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が3年以上明かでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
離婚裁判の場合、
・離婚を認める判決がなされたとき、もしくは、
・離婚する旨の和解が成立したとき
に離婚が成立します。
調停離婚同様、離婚成立から10日以内に離婚の届出(報告的届出)をする必要があります。
裁判離婚は全体の1%前後です。
以上が、離婚の4つの形になりますが、離婚を求める側は、合意が整わない場合、
いきなり裁判を起こすことはできず、まずは調停を申立てる必要があります。
これを「調停前置主義」といいます。
次回は、離婚手続きにおける弁護士の活用術について
お伝えしたいと思います。
